『神様メール』感想
~あらすじ~
”ベルギーのブリュッセル。とあるアパートに家族と共に生活している神は、慈悲深いという人々が抱いているイメージとは真逆の嫌な人物であった。自分の部屋に置かれたパソコンを駆使して世界を管理しているが、いたずらに災害や事故を起こしては楽しんでいた。そんな父親に怒りを覚える10歳の娘エア(ピリ・グロワーヌ)は、家出を考える。立ち入りを禁じられている父親の部屋に忍び込んだ彼女は、全人類それぞれの死期を知らせるメールを送信して家を飛び出してしまうが……(シネマトゥデイより)。”
この映画の監督さんね…ジャコ・ヴァン・ドルマルというこの人は天才だと思う!
あいかわらずの映像美、
どこか『不思議の国のアリス』のようなシーンたち。
幸せなシーンではパステルカラー調、暗いシーンでは徹底的に灰色の描き分け!
画面テーマ設定の斬新さもさることながら、今作で見せたのは独特過ぎる比喩表現の数々…
「真珠が大理石の階段を転がるような華やかな声」
「30人の男がクルミを割るような声」
こんなこと思いつくやつは頭がおかしいんじゃないかな?(褒め言葉)
この映画を見た後に(前にでもいいよ👍)
ぜひとも監督の前作である『ミスター・ノーバディ』は見てほしい!一人のおじいちゃんの何通りもの人生を2時間弱に無理なく詰めこんでる‼(むしろこっちのほうがおススメ本命)
この作品では、ちょっとした”映画の革命”が起きてると思う…ので、いつか別記事で紹介したいなぁとは思う。
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この映画、主人公が神様の娘さんなんです!
でも、親父であるところの「神」は、皆が信じるような聖なる存在ではなくて、偏屈で飲んだくれのクソ親父🌀
自分の退屈を紛らわすために「人間」を作り、不幸を吹っ掛けては楽しんでるというクソっぷり。(しかも、"神"の仕事場は暗~~~い書斎のオンボロPC👏)
そんな親父に嫌気が差して、主人公のエア(ピリ・グノワール)は、使途を集め、新たなる聖書「新・新約聖書」を書き綴るために下界へ飛び出すのです☀
それだけじゃあありません!置き土産と言わんばかりに親父のPCから余命宣告メールを人類全員に送りつけて出ていっちゃったから~さあ大変!!!
ある日突然「あなたの余命は、あと○○年○○ヶ月○○日○○時間○○分○○秒(カウトダウン形式)」って「神様メール」が送られてきたら、あなたならどうする?
"カウトダウン"ってのが、絶妙にいやらしくて素敵ですね✨(褒め言葉)
「あなたの余命はあと4秒…3…2…1……」で事故に遭って死ぬ人や、
「62年生きられます!」と送られてきて、面白半分で自殺を試みる青年も(神の宣告なのでウルトラミラクルが起きて絶対に死にません)
あと数年しか生きられないと知ったら
会社に行かなくなるし、なにやってもどうせ死ぬ(死なない)からこわくないぜヒャッハー!して、社会がまわらなくなるんだよなぁ……(時代はニートですよニート💨)
神から死期を知らされた人間たちが余生をどう過ごすのか…そんなテーマを、選ばれた6人の使徒たちのエピソードをつなげて、半ばオムニバス形式で覗き見ていく…(実際はそんなたいそうなものではございません)
片手を失った美女
小鳥と一緒に旅に出たいおっさん
変態性欲魔人のおっさん
自分を殺し屋だと思い込むおっさん
満たされぬ思いを抱えたマダムwithゴリラ
親に病気にされた女装少年
6人が全員イロモノぞろい…いや、半分オッサンじゃないか!
しっかし…原題にもなった「新・新約聖書(The Latest TESTAMENT)」の言葉の仰々しさとは裏腹に…
エアちゃん含めた神様ご一家は「おいおい…そんなので大丈夫か💦」と思うほどのテキトーっぷり。
はるか昔に家出したJ.C.というお兄さんがいるんですけど…この人こそが"神の子"ジーザス・クライスト!
そんな彼が妹のエアにアドバイスをします…
「弟子だ!聖書を書かせる弟子が必要だ!俺の集めた12人の使途に新しい使途を6人加えて18人にしよう!」
「なんで18人なの?」
「母さんの好きな数字が18だからさ!(意訳:母さんが野球好きだろ?18人いれば試合ができる!すごくね?)」
その妹のエアちゃんも、
使途にすべく選んだ6人は親父の"人類"ファイル棚をテキトーに開いて、手前から6枚を引き抜いただけ☀ 選…んだ?
これ…敬虔なキリスト教徒の方々からしたら発狂ものなのでは?(キリスト教原理主義は…云々)
宗教的な意味でも、ちょっと欧米での反応が気になる。
まあまあ、そんなことよりも
主役のピリ・グノワールちゃんが美少女すぎてツラい!!!んだ!!!!
まさしく灰色の人間界に舞い降りた天使(神の子)なんですよこの子!
いろいろユニーク
「私の兄はJ.C」「JC…ジャン・クロード・ヴァン・ダム?」ベルギージョーク!
どうでもいいけれど…
この映画「ゴリラ映画」でもあるんですよ!
ゴリラマニア垂涎のベッドシーンもあるよ😜💨💕 妊娠させちゃうよ👶ウーベイビーイェアー
(おばさんとゴリラの純粋で動物的な愛が描かれるんだけど、たぶんネタとして入れ込んでるだろうなぁ。映画マニアはみんなゴリラすきだし✨マイティジョー)
偶然にも、同じ日に見た『素敵なサプライズ』(全記事)と「死の扱い」において対照的な作品。
いつ訪れるかわからないサプライズ「突然の死」と
神から宣告された余命「予告された死」という形である。
うーん、ありえん良さみが深い(致命的な語彙力不足)(後から追記予定)